オーラルイントロダクションについて

教科書をいかに使ってインプットを促していくか,ということに力を注いでいる本年度。少しずつではありますが,成果とも捉えられる生徒の成長を少しずつ感じています。読解やリスニングにおける理解は少なくともできるようになり,スピーキングにも反映されている生徒の姿が見えるようになってきました。しかし実力テストなどで突発的に問われるとまだまだ軟弱な面も見られます。ライティングにはまだまだ課題があるようで,正確に書けなかったり運用ができなかったりするようです。生徒育成の道をさらに切り開いていくべし!です。


今日は同僚の先生とオーラルイントロダクションをどのように行うかについて話をしました。オーラルイントロダクションをcomprehensible inputにするためにはどうするべきかという点についてでした。イントロダクションと言っても「何を」導入するのかということをはっきりしておく必要がまずあると思います。オーラルイントロダクションでは生徒が「教科書内容」について理解できるようにすることがまずもっての目的であり,文法事項や英文をオーラルイントロするのではないと捉えています。そのためには生徒とインタラクションを図りながら理解を深めているのかを確かめながら行っていかないとと思います。


Comprehensible inputにするためにはsimplifiedにした英文を使用することが求められます。simplifiedな英文を作るために必要なfactorをチェックしてみました。
○話すスピード
○生徒が知っているボキャブラリー
○代名詞の置き換え
○理解できない単語の容易な単語での説明
ジェスチャーや写真などの使用
○単純な文構造
○繰り返し,言い換え
○生徒の発話の展開
○tag Qの使用(what did he want ? A book ?)
○Error Correction(you mean he left ?)
などがありました(Making Communicative Language Teaching Happen, 2007)。


ピクチャーカードや知らない単語についてフラッシュカードで示して理解を促すことも,新出文法について構造や意味を示しながら理解をさせることも非常に大切な要素になりますし,noticingとしての役割も果たして行くものと思います。


オーラルイントロダクションで発する英文が理解され,有意義なインタラクションが生徒と出来るならば教材に対する学ぶ意欲も高まるでしょうし,SLAの観点からも効果的に働きかけるものと思います。生徒にとって良いオーラルイントロダクションの形をさらに追い求めていきたいと思います。「効率を求めすぎると置いていかれる生徒が必ず出てくる」ことも自分の経験から感じています。効率と生徒の実態をしっかりと観察・分析していきながら取り組んでいきたいと思います。