研究の視点から学ぶこと

先週昭和女子大学で行われたRod Ellis先生の公開授業に参加をしてきました。テーマはForm-Focused Instruction and Second language Acquisitionです。テーマからして非常に興味深く感じておりましたが,講義の内容もわかりやすく(全てを理解したとは言い難いですが),学んだことも多くありました。有意義な時間だったと思います。


日本ではこれまでに文法的な指導が重視されてきましたが,directなgrammar instructionと,Form-Focused Instruction,その中でもFFIにおけるIndirectなConsciousness Raising Taskとはどちらが効果があるのか,色んな研究者が検証を行っています。明示的にするのか,それとも暗示的にするのか,暗示的に明示的を取り入れるか,文法項目によってそれらの効果は違うのか・・・。また,Explicit knowledgeがautomatizationされることでそれらがimplicit knowledgeになるのか, それともAutomatized explicit knowlegeになるのか・・・とても興味深く,SLAの最前線の研究理論をEllis先生とinterpretすることができました。


自分が授業を実践する時に,たとえばCRtaskで文法を導入するときに,その定着ができているかどうかを直感で感じること,経験則ももちろん大切ですが,データをとって確認したり,指導の効果をふり返ったりしながら,分析的な視点で生徒・自分の指導を見る目を養うことが非常に大切だと思いました。なぜ効果があったのか,またなぜうまくいかなかったのかを論理的にわかりやすく説明できることが必要なのだと,基本的なことながら痛感しました。


Ellis先生のハンドアウトには,色んな研究の結果から,「ではそこからどんな結論に導けるだろうか」というtaskが章終わりにありました。まだまだ研究的な視点が浅はかなわたしには,とらえるところをしっかりと押さえながら,分析的に見る目を養う必要があります。が,時間を費やしながらそのような質問にしっかりと答えられるようにこれからも学習をしていきたいなぁと思いました。今年の研究にも役に立つ,そして非常に学びの多い2日間でした。


帰りの地下鉄で,NZに帰国されるEllis先生を見かけました。SLAの大御所も地下鉄なんだな(笑)と思いながら,季節が逆の日本で厚いジャケットに汗をかきながら,羽田に急ぐ姿を見ていました。また講義に参加できるまでには,自分も研鑽を重ねておきます!