修行の秋

教科書一単元を実践対象とした授業がそろそろ始まります。この実践計画は夏前からずっと暖めてきたものですが,プレ実践にも取り組み,少しずつではありますが手応えを感じてきているところです。全員が全員取り組めている訳ではないのが気になっていますが,そのような生徒にも何かしらの取り組みを示唆しながら取り組ませます。授業自体は録画し,事後指導を長先生に頂きます。何とも恐れ多いですが(笑)もし興味があればお知らせ下さい。


毎年秋は実り多いのですが,今年の秋も豊作になりそうです。助成費を活用させて頂き,授業視察をさせてもらえることとなりました。いやぁ,本当に楽しみです。場所はT県U市としておきます(笑)お分かりになる方にはすぐにピンとくるであろうT県U市。我が地域にはないものがたくさん学べると思っています。T先生,そしてT県の皆様,一緒に学習をさせて下さいませ。いや〜楽しみだ!

inputを与えてそれからどうする?

自分の学校の中学生は,全国の公立中学校の生徒と何ら変わらない,普通の中学校だと思っています。英語に関して言えば,「英語なんて将来使わね〜し」「外国なんか興味ね〜し」とか思っている生徒がほとんとで,やる気に満ち・・・・ていない表情をすることがよくあります。でも,英語の時間にできたことを認めながら取り組ませると,それなりにやってくれる可愛い生徒達です。


私の興味関心は,いきなり生徒にアウトプットを求めてもできる訳がないので,インプットとして獲得したことをアウトプットさせる練習に取り組ませるなかで,CAFに与える影響は如何なるものかという点です。ここからが中学生における指導として一番骨が折れる面白く,教師の腕の見せ所だと思うのですが・・・如何に生徒にアウトプットさせるか(リプロダクションも含めて)については,理論上のことを実践するだけでは絶対に上手くいきません。そこに必要となるものは,生徒の英語力に応じて設定する必要なステップの提示,英語運用における生徒心理理解,理論的内容を基盤とした論理応用力だと感じています。


金魚鉢で育っている生徒達はなかなか大海で泳ぐのに躊躇しているようです。大海にちょ〜〜〜〜っと出ては,「極」すぐにまた金魚鉢に戻ってきます。この辺りが可愛らしいところでもあるのですが。。。中学生の時期は,基本的な泳ぎ方や大海に出た際の注意事項を教えながら,自分の力で泳ぎ始めるのだ!と背中を押し,(実地)訓練している状態だと言えるかもしれません。先日は大海からのお迎え,新しいALTがやってきました。イケメンALTに,大海に出て行こうとする女子生徒がわんさか出てくれました。それはそれで大変有り難い(笑)けど,無造作に出て行かないでね(笑笑)


何がきっかけで大海に出て行く(アウトプットができるようになる)のかという観点で中学生のポイントをつかむことは難しいですね。特に心理的ひっかかりがあるのであれば,それを取り除いてあげたいぁと思います。情意面が大きいのか,認知的に焦燥なのか,指導でブレイクスルーできるのか,色んな可能性を探っていきます。

Fluencyについて

SLAでは学習者の伸長具合を測定するためにCAFによる変容から判断している研究が多くあります。Complexity, Accuracy, Fluencyに変容があれば,English userとしての熟達化が見られるということでしょう。しかし,U-shape learning curveを検討するとaccuracyはlinearではないこともありますし,全てが一気に向上するなんてことは難しいですね。CAFのinterconnection-shipなどについても議論があるところですし,その下位概念である指標についてもはっきりしたコンセンサスがありません。


今年はFluencyについてどのように定義するのかを非常に悩みましたし,色々と調べました。自分の中でしっくりと納得できたことは,Fluencyとはinterlanguageにアクセスし,選別,選択する反応速度ということで,学習した結果,implicit, explicit knowledgeが上手く整理でき,機能するようにならないかと考えました。Target Formに焦点を当てenhanceすれば,一時的にTFへの反応速度が速くなるかもしれませんし,はたまたそうならないこともあるかもしれません。target formによって異なるかもしれません。durationはどんなものでしょう。その辺りを調査分析しようと試みております。


... fluency is primarily related to the learners' control over their linguistic L2 knowledge system as reflected in the speed and efficiency with which they can access and implement relevant L2 information to communicate meanings in real time, with control improving as they proceduralize their declarative L2 knowledge and automatize the processes of gaining access and implementation at the level of Levelt's formulator and articulator (A. Housen, F. Kuiken, & I. Vedder 2012)


Dimensions of L2 Performance and Proficiency: Complexity, Accuracy and Fluency in SLA (Language Learning & Language Teaching)

Dimensions of L2 Performance and Proficiency: Complexity, Accuracy and Fluency in SLA (Language Learning & Language Teaching)

  • 作者: Alex Housen,Folkert Kuiken,Ineke Vedder
  • 出版社/メーカー: John Benjamins Pub Co
  • 発売日: 2012/10/17
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P. Skehan & P. FosterにはまずFluencyの向上が書かれているところなので,その説を支持できる結果になれば良いのにね。


Cognition and Second Language Instruction (Cambridge Applied Linguistics)

Cognition and Second Language Instruction (Cambridge Applied Linguistics)

互見授業を通して考える

先週,自校では互見授業ウィークなるものがありまして,授業を行いました。


何を見られるのか,と言えば,


○市教育行政が提案している授業形式に沿っているか。
○生徒がペアやグループで学び合っているか。
○その結果,生徒が何を理解し,自分の言語でどのようにまとめているか。
○授業が一時間で完結しているか。
○理解のゆっくりな生徒に対して授業者がどのような配慮をしているか。


・・・などなどです。


私としては「良いものは取り入れる」という精神でやっておりますので,全てを受け入れ,型枠に当て込むようなことだけはしたくないと常々思っています。統一したスタイルを築きたいとするその授業スタイルの考えからは(少し?だいぶ?かなり??)ずれているかもしれません。すると周りの方から,あいつは「勝手なことをしている」とか「上から降りてきているものに従ってない」と思われるかもしれませんが。


英語の授業時に学んだことを,まとめとして5分なりの時間を割き,振り返りシートなりもしくはノートに記述なりしてまとめたものをシェアリングし,教員からのフィードバックを受けるということは本当に必要でしょうか。


タスク後に,ある人物が「今野球している(のを見ている,もしくは知っている)」(「という事実」や「野球をしているから○○できないなどという気持ち」)ことを伝えるときには現在進行形(be+ing)を使用する,などと意味ー形式ー機能面についてのまとめを明示的に示すことは第二言語学習者にとって英語の技能に関する何を促進するのでしょうか。


だからといって,ただ意にそぐわないことをしていては,駄々をこねて嫌だ嫌だと泣き喚いている子ども,もしくは反抗期の中学生と何ら変わりありません。自分なりには,提案されているものを受けて英語科スタイルとしてはこのように行っています,という流れにしているつもりです。まだまだ上手く行かない事の方が多いのですが。


手応えもありました。生徒に示したタスク活動のハンドアウトが取り組みのscaffoldingとして合致しつつある様子が見られました。研究のプレ実践であったため,私にとっては大変学びの多い授業となりました。


これからも必ずどこかに改善点がある,の精神で取り組んで参ります。

学校にいる充実

今日からまたウィークデイ。週末はかなりダラダラしていましたが,特に月曜日だからとblue mondayを感じずにしっかり通勤,7時に学校着しました。


やはり学校にいると,授業は楽しいし,生徒は手はかかるけど私もかなりの学びがあるし,充実感を得ることができるなぁとつくづく思いました。


今生徒と共に授業を創れているのは他の誰にもできない(技的にということではなくて)ことだと自負しているから,生徒には本当にエネルギーをもらいます。時々腹の立つこともあるけれど,叱っている反面,無理なことを要求していないかと自分の指導も反省しながらの繰り返しです(笑)。まだまだな自分です。

休めということか

週末になると少し,というかかなりの無気力を感じる。読書にはかろうじて勤しむものの,目標値の2/3で終了。するべき仕事もなんとかなるかと先延ばし。


ま,それもこれも休日くらい休みなさいということか。なので流れには逆らわずに心身の赴くままに。「頑張る」というと気持ちに負荷がかかるので,できることを一つひとつやろうか。

いつもの二学期が・・・きた〜〜!

いや〜,すっかり秋めいてきたところですが,昼間は暑い。でも確実に季節が進んでいることを日に日に感じます。修学旅行に始まった二学期ですが,秋めいてきた関西地方は観光客でごった返すのでしょうね。京都の○山とかUS○のハリー○ッターなどは身動きができないものだとお察しいたしますよ。


二学期開始当初感じたことは,生徒が「一学期にできていたことができなくなってる!」ということでした。ま,ある意味当たり前のことなので,再指導を行って,少しずつ良い感じになってきているところです。


学校での二学期といえば,「ありとあらゆることに多忙を極める」という学期であります。特に10月,11月なんて行事に次ぐ行事です。毎年この時期は辞めたくなります(笑)。そして今年もそんな日々が始まりました。まぁ,毎年のことなのですが。


その内容といえば・・・修学旅行が終わった後,一日自主研修のまとめ作成の企画,これから行う職場体験の手はず(生徒に学ばせる授業の構成と渉外事務・交渉)を整備し,さらにそれらと同時並行に文化祭の一部企画・指導,文化祭の後は高校調べの企画・渉外事務です。事務文書作成の合間に授業に行っている感覚ですが,研究的な授業実践のため手抜きをして授業に行く訳にもいかず,ほんまにてんやわんやですわぁ〜〜。


身も心も持つかどうか(笑)今日は市英語部会での研究協議委員会で発言をしてきましたが,忙しさのあまりに何も下準備できずでした。すみませぬ,という感じです。


研究授業実践のプレも順調に進んでいますので,今週末はそれらの検証と再計画をしようかな。もう一つの今週末の自分への課題はcognition and second language instruction / P.Robinson内のcognition and tasks / P.Skehan & P. Fosterを再読。頑張ります。


忙しいけど,メタ認知療法で・・・・・・・・頑張るぞ〜〜〜い!